台湾を代表する航空会社である「エバー航空」
台湾のエアラインというと「チャイナエアライン」が有名ですが、そこにここ10年ぐらいに割って入ってきた新鋭の航空会社です。台湾の台北空港を中心に東京や大阪、名古屋など日本国内に数多くの路線を持ち、台北と地方空港を結ぶ路線も充実しています。さらに台北からは北米やヨーロッパ、オセアニア方面など幅広いネットワークを持っています。そのため、台北でのトランジットが必要になるものの、日本からエバー航空を利用して世界各地に向かうことができ、直行便よりもはるかに安い価格設定が行われていることから、バックパッカーや格安航空券ではよく使われるルートになっています。
エバー航空のマイレージ制度
「Infinity MileageLands」で貯める
エバー航空では、路線を拡大していく中で自社のマイレージプログラムである「Infinity MileageLands」を発足させました。世界中の誰でも会員になることができ、日本語のホームページも用意されているので、日本人が会員になることも容易です。
スターアライアンスに所属
エバー航空は、世界的な航空連合である「スターアライアンス」に所属をしています。同じスターアライアンスには日本の全日空も所属をしており、エバー航空でマイルを貯めるということは、ANAを利用しても可能です。
他にもスターアライアンスに所属している航空会社は
全日空,アシアナ航空,中国国際航空,深圳航空,シンガポール航空,タイ国際航空 タイ・スマイル,エア・インディア,ユナイテッド航空,エア・カナダ コパ航空,アビアンカ航空,クロアチア航空,スカンジナビア航空,TAPポルトガル航空 LOTポーランド航空,エーゲ航空,ブリュッセル航空,オーストリア航空 スイスインターナショナルエアラインズ,ルフトハンザドイツ航空,ニュージーランド航空 ターキッシュ・エアラインズ,南アフリカ航空,エチオピア航空,エジプト航空 |
上記の航空会社が含まれており、世界中の航空会社を利用してマイルを貯めたり、マイルを使ったりすることができます。
会員のステータス制度
エバー航空のInfinity MileageLandsでは、利用履歴に応じてステータス制度を設けています。これは日本の航空会社(ANAやJAL)でも同じような制度があります。
有効期限は2年間であり、その間に所定の条件を満たすと会員ステータスを獲得することができます。
詳細 https://www.evaair.com/ja-jp/infinity-mileagelands/membership-benefits/tiers-and-privileges/
【ステータス達成条件】
カード種別 | グリーンカード | シルバーカード | ゴールドカード | ダイヤモンドカード |
スターアライアンス
ステータス |
シルバー | ゴールド | ゴールド | |
新規入会基準 | 満2歳以上なら入会可能 | グリーンカード有効期間内12カ月間に以下の条件の一つを満たした場合 ・エバー航空/ユニー航空の国際線に4回以上搭乗、30,000マイル積算 ・エバー航空/ユニー航空の国際線に26回以上搭乗 |
シルバーカード有効期間内12カ月間に以下の条件の一つを満たした場合 ・搭乗マイルを50,000マイル積算 ・エバー航空/ユニー航空の国際線に50回以上搭乗 |
ゴールドカード有効期間内12カ月間に以下の条件の一つを満たした場合 ・搭乗マイルを120,000マイル積算 ・エバー航空/ユニー航空の国際線に100回以上搭乗 |
更新基準 | なし | シルバーカード有効期間内に以下の条件の一つを満たした場合 ・搭乗マイルを40,000マイル積算 ・エバー航空/ユニー航空の国際線に42回以上搭乗 |
ゴールドカード有効期間内に以下の条件の一つを満たした場合 ・搭乗マイルを80,000マイル積算 ・エバー航空/ユニー航空の国際線に80回以上搭乗 |
ダイヤモンドカード有効期間内に以下の条件の一つを満たした場合 ・搭乗マイルを200,000マイル積算 ・エバー航空/ユニー航空の国際線に140回以上搭乗 |
上記の基準を満たすことによって、上級会員になることができます。
上級会員になると、座席指定が無料になったり、フライトでもらえるマイルにボーナスが加わったり、空席待ちや手荷物返却が優先になります。提携しているスターアライアンスのステータスも同時に付与されるので、エバー航空だけでなく、スターアライアンスの航空会社を利用しても優待サービスを受けることができます。
「Infinity MileageLands」のマイルの貯め方
エバー航空の利用で貯める
「Infinity MileageLands」は発行元であるエバー航空、およびエバー航空の子会社である「ユニー航空」を利用することによってマイルを貯めることができます。
マイルの加算率は、エバー航空の定めるフライト距離に航空券の種類ごとの加算割合を掛け合わせた数字になります。航空券のグレードによって異なり、ビジネスクラスにあたる「ロイヤルローレル」を利用すると加算率が高くなります。
マイルの加算率は以下の表のようになります。
エバー航空ではファーストクラスはなく、基本的には2クラス制(エコノミークラスとビジネスクラス)ですが、長距離路線においてはプレミアムエコノミークラスが設定されています。ビジネスクラスでも比較的安い航空券が販売されているのがエバー航空の特徴で、日本発の台北経由北米(またはヨーロッパ)行きなら直行便よりも安く、しかも大量のマイルを獲得することができるマイル修行僧向けの路線と言えます。
注意点は、あまりに安い航空券(団体運賃などで採用されている「予約クラスG」やチャーター便、特別プロモーションの運賃など)では、マイル加算の対象外となることがあるので、事前に確認しましょう。
他の航空会社のマイレージプログラムと同じように、搭乗時にマイル加算をすることができなければ、ホームページから事後加算を申請することができます。
スターアライアンス提携航空会社で貯める
エバー航空のマイルは、前述した同じ航空連合(スターアライアンス)に所属している航空会社を利用してもマイルを貯めることができます。マイルの加算率に関しては航空会社によって異なります。
基本的には予約クラスと飛行距離によって加算マイル数が決まるシステムになっており、ファーストクラスやビジネスクラスなどの上級クラスを利用すると加算率が高くなるようになっています。
注意点は、マイル加算対象外になっている航空券が数多くあり、ツアー運賃など予約クラスが低いとダメなケースがあります。
例えば、日本の全日空の場合には以下の表のようになっています。
マイル加算対象外の航空券が予約クラス「O・I・X・R」と旅行会社で使われるケースの多い運賃はマイル加算の対象外なっています。一方で、エコノミークラスの正規割引運賃だと「予約クラスV」が多く、この場合は区間マイルの50%を貯めることができます。
提携パートナーからのアワードマイルで貯める
クレジットカードの利用で貯める
マイルを貯めるときの定番の方法であるクレジットカードを利用してマイルを貯めるやり方ですが、Infinity Mileage Landsのマイルを貯めるのは非常に難しいのが現状です。なぜかというとまず、海外航空会社のマイルを貯める定番である「SPGアメックス(スターウッド・プリファードゲスト)」や「アメリカンエキスプレス・スカイトラベラーカード」を利用したとしてもポイントがマイレージバンクと提携されていないのでを移行することができません。
強いて言うなら、「アメリカンエキスプレス・スカイトラベラーカード」を利用すると、獲得することができるポイントが3倍(プレミアカードなら5倍)になりますが、これをエバー航空のマイルとして獲得できないのが現状です。
では、マイルを貯めることができるクレジットカードがないかというとそうではなく、「アメリカンエキスプレス・エバーカード」「キャセイユナイテッドバンク・エバーカード」などがあります。
しかし、これらのカードは、台湾在住でないとカードを作ることができず、引き落としの通貨単位も台湾ドル扱いとなってしまうため、台湾の銀行口座がないと非常に使いにくいカードとなります。
したがってクレジットカードでは、Infinity Mileage Landsは貯めることが難しいと覚えておくとよいです。
提携ホテルサイトを経由してマイル獲得
Infinity Mileage Landsが提携しているホテル、またはホテル予約サイトを利用して宿泊をするとマイルを獲得することができます。
これはインターネットから予約をすることができるサイトなので、日本からでも利用してマイルを貯めることができます。マイルを獲得することができるサイトやホテル、獲得できるマイル数は以下の通りです。
サイト名 | マイル獲得条件 |
AGODA(Agoda.com) | Agodaの専用ページからホテルを予約、ご利用金額100NTドルにつき4マイル獲得。最大10,000マイル獲得。PointMax パッケージを選択し、ホテル宿泊を完了してください。
|
Booking.com | Booking.comでホテル予約、ご利用金額100NTドルにつき4マイルを獲得。 50%割引でホテルを予約できるキャンペーンもある。 |
Kaligo.com | エバー航空の特別サイトを通してKaligo.comでホテルを予約、利用金額100NTドルにつき15マイルを獲得。 ボーナスマイルを獲得できるチャンスもある。 |
Rocketmiles | Rocketmilesの特別サイトを通してホテルを予約、1泊につき、500-10,000マイルを獲得。 |
上記以外にも台湾や世界中にあるホテルで宿泊をすると宿泊したホテルの規定に応じてボーナスマイルが付与される。
詳細はこちら https://www.evaair.com/ja-jp/infinity-mileagelands/earning-mileage/partners/
提携店舗で貯める
上記以外にもエバー航空が提携している店舗の利用、また提携ポイントを移行することでマイルにすることができます。
【提携店舗でのマイル獲得例】
店舗名・サービス名 | マイル獲得条件 |
セブンイレブン台湾 | セブンイレブンで獲得できる「オープンポイント」をマイルに移行する。 |
Easy Card UUPONポイント | 提携店舗で獲得したEasy Card UUPONポイントをマイルに移行する。 |
ANA DUTY FREE SHOP | 成田・羽田・羽田の各空港にあるANA DUTY FREE SHOPで買い物をすると100円につき1マイル獲得。 |
マイルを購入して貯める
エバー航空の「Infinity Mileage Lands」では、マイルを購入して貯めることも可能です。購入単位は1,000マイル単位で、「1,000マイル=40US$」となります。購入はエバー航空のホームページからすることができ、支払いの通貨単位はUS$または台湾ドルのみで支払いをすることができます。
マイルを購入するときの注意点として、1つ目は、購入したマイルはエバー航空またはユニー航空の特典航空券または、搭乗クラスのアップグレードにのみ使うことができます。(スターアライアンスの特典航空券を使ってANAの特典航空券の発券は不可能)2つ目は、購入することができるマイル数は、獲得しているマイル数と同数までが上限となります。
【例1】50,000マイル保有 → 50,000マイルまで購入可能
【例2】マイル保有なし → 購入不可能
キャンペーンを利用してマイルを貯める
エバー航空では、マイレージクラブ会員を獲得するためにさまざまなキャンペーンを行っています。基本的にはエバー航空を利用することが条件ですが、キャンペーンを利用するとたくさんのマイルが獲得できます。
現在行われているキャンペーンは、利用する航空券の種類と路線によってボーナスマイルが付与されるシステムで、近距離の国際線であっても200マイル以上を獲得することができます。長距離になると付与されるボーナスマイルも良いのでたくさんのマイル獲得が可能です。
Infinity Mileage Landsの使い方
エバー航空・ユニー航空の特典航空券にする
Infinity Mileage Landsの使い方として一番定番なのが「特典航空券」に交換する方法です。
特典航空券は、最大2回のストップオーバーが可能になっており、第三国出発であっても発券することができるので
「日本発台北経由シンガポール往復」や「香港発台北経由フィリピン往復」といったようなルートが可能になります。
特典航空券の交換に必要なマイル数は、距離ではなく地域によって設定されており、以下の表のようになります。
前述の「日本発台北経由シンガポール往復」の場合は、エコノミークラスで35,000マイル、プレミアムエコノミークラスで40,000マイル、ビジネスクラスで50,000マイルとなっています。また、国際線の特典航空券としては珍しく片道での発券も可能です。
必要マイル数は往復の時の半分で以下のようになります。
もし保有しているマイル数が少ない場合には、片道を特典航空券で発券して、復路は有償航空券(例えばLCCなど)の利用をすれば、少ないマイル数とお金で旅行を楽しむことができます。
エバー航空・ユニー航空で座席のアップグレードする
マイルを使って座席のアップグレードをすることも可能です。
必要マイル数は、特典航空券の時と同じように移動するエリアで異なります。
アップグレードをする時の注意点は、アップグレードすることができる航空券の種別がエコノミークラスからの場合「Q・H・M・B・Y」の5つのみであり、さらにQ・H・Mの航空券とB・Yの航空券では必要マイル数が変わります。
利用クラスによって細かく設定されているのでアップグレードする場合には確認しましょう。
スターアライアンス特典航空券・アップグレードに交換する
エバー航空は世界的な航空連合「スターアライアンス」に加盟しているため、マイルをスターアライアンスの特典航空券またはスターアライアンス加盟航空会社の座席にアップグレードにも利用することができます。
必要マイル数は、全ての航空会社共通となっており、ANAのホームページに掲載されているスターアライアンスのチャートをそのまま使うことができます。
必要マイル数はゾーンによって決められており、日本発の場合には上記のような必要マイル数になります。「ゾーンA」と「ゾーンB」は、海外で利用する国際線区間が2区間のみ(往復のみ)であればゾーンA、3区間以上の場合にはゾーンB扱いとなります。
同じように座席のアップグレードにもInfinity Mileage Landsを利用することができ、アップグレードに必要なマイル数は、飛行距離によって定められています。(下記表参照)
アップグレードの場合は、航空券の種別によってアップグレードできるものとできないものがあるので事前に確認しましょう。
Miles&Cashを利用する
エバー航空の航空券を購入する際に、マイルを保有しているとマイルと現金払いを併用して航空券を購入することができます。航空券の価格や保有しているマイル数によっては、代金の全額をマイルで支払ってしまうことも可能です。
1マイルいくらになるのかという決まったルールはなく、予約をするときの航空券種別と保有しているマイルのバランスで価値が決まります。保有しているマイルが少なくて、どうしようか困っているときには少ないマイルでも現金と同じ価値で利用することができるので、その分だけ割引をすることができます。
トラベルクーポンと交換する
エバー航空が提携している旅行会社にEver Fun Holidayがあります。この会社で利用することができるクーポン券に交換することができます。
交換は10,000マイルからで、これが1,000台湾ドルになります。Ever Fun Holidayで予約した団体旅行やツアー、ホテルなどの宿泊費を支払うのに使うことができます。
その他の交換先
Infinity Mileage Landsの使い方は他にも多数あり、エバーグリーングループのホテルで利用できる金券や商品、ポイントなどとの交換も可能です。
基本的には台湾国内で利用することができるものが多いので、旅行やビジネスで訪れた際に利用することができるのであれば価値があります。また、少し変わったところでは、登録をすれば第三者にマイルを譲渡するということも可能です。
まとめ
- 台湾のエバー航空では、Infinity Mileage Landsというマイレージプログラムを行っている。エバー航空やスターアライアンス加盟の航空会社を利用することでマイルを貯めることができる。
- マイラー定番のクレジットカードを利用してマイルを貯める方法は、SPGアメックスやスカイトラベラーカードが使えないので貯めにくい。
- 貯めたマイルはエバー航空の特典航空券や座席のアップグレード、提携航空会社などを使うことができるほか、台湾企業のポイントやホテル宿泊の支払いに使うことができる。
この記事へのコメントはありません。