マイル還元率の高いカードとして有名な「SPGアメックス」
では、実際にどの程度の還元率になるのでしょうか。還元率とその仕組みを解説します。
マイラーが注目する還元率
還元率とは何か
還元率とは、クレジットカードを利用したときに何ポイントたまるのかを表している数字で、「ポイント還元率」や「マイル還元率」などの言葉があります。マイラーが使う言葉は「マイル還元率」という言葉が多く、100円のカード利用で何マイル貯まるのかを計算します。
当然、数字が大きい方がたくさんのマイルが貯まることを示しており、いかに「マイル還元率」が高いカードを選ぶのかということがポイントになります。
基本のマイル還元率
マイルの還元率には基本の数字というのがあります。
どのカードという指定はありませんが、一般的にはマイレージクラブを保有している航空会社が発行しているカード(ANAカードやJALカードなど)を利用したときに貯めることができるマイル還元率が基本になります。
例えば、ANAカードの場合、100円の利用に対して1マイル貯まるので基本のマイル還元率は1%で、特約店を利用した場合にはマイル還元率が2倍になるので2%になります。JALカードもほぼ同じ構造になっているので、基本のマイル還元率は1%と覚えておけばよいです。
SPGアメックスのマイル還元率は
SPGアメックスのポイントの仕組み
SPGアメックスの説明をする前にSPGアメックスのポイントからマイルになる仕組みを解説します。
SPGアメックスは、カードを利用して支払いをするとマリオットボンヴォイ・ポイントを獲得します。マリオットボンヴォイ・ポイントは100円のカード利用につき3ポイント付与されます。(ポイント還元率は3%)
そして、マリオットボンヴォイ・ポイントをマイルに移行します。このときの交換率は航空会社によって異なり、日本人が多く利用しているANAマイレージバンクやJALマイレージバンクは3ポイントが1マイルになります。よって結果的に100円のカード利用で1マイルが貯まることになるので、マイル還元率は1%になります。
移行先で変わるマイル還元率
SPGアメックスで貯めることができるマリオットボンヴォイ・ポイントは複数の航空会社のマイレージクラブに移行することができます。そのため、移行先によって交換レートが異なり、結果的にマイル還元率にも違いを生じさせます。
40以上あるマイレージクラブのほとんどが、3ポイントが1マイルになる1%のマイル還元率ですが、異なるのが3社あります。
航空会社(マイレージクラブ) | 加算割合(ポイント:マイル) | 還元率 |
ユナイテッド航空(マイレージプラス) | 3:1.1 | 1.1% |
ニュージーランド航空(エアポインツ) | 200:1 | 0.015% |
ジェットブルー(トゥルーブルー) | 6:1 | 0.5% |
ニュージーランド航空は、非常に交換率が悪いのではっきり言って利用することができるレベルではありません。ジェットブルーの場合には、マイル還元率が半分になってしまいます。
逆に、最も還元率の良いマイレージクラブはユナイテッド航空のマイレージプラスということになります。ただ、還元率が良いからその航空会社が一番お得かというとそうでもないのが現状です。
アメックスの還元率とマイル価値
SPGアメックスのようにアメリカ・ンエキスプレスブランドのカードでは、SPGアメックスやプロパーカードを含めて、複数の航空会社のマイレージクラブに移行することができるケースが多いです。
複数の航空会社のマイレージバンクに移行することができるのは便利なのですが、マイル還元率を意識して交換しなければいけません。さらにもう1つ重要なのがマイル価値です。
マイル価値とは1マイルあたり、それぐらいの金額になるのかを表している数値で、どんなにマイル還元率が良くても、マイル価値が悪いとデメリットになってしまいます。マイル価値はマイルを使うときに注目される数字ですが、マイルを貯めるときからも意識しなければいけません。
ましてや、SPGアメックスのように複数の航空会社に移行することができ、かつそれぞれのマイレージクラブで還元率が異なるようなポイントを使うときには要注意です。
実際に気を付けなければいけない例をANAマイレージクラブとユナイテッド航空のマイレージプラスを使って、楽天スーパーポイントに交換するケースで計算します。
ANAマイレージクラブ | マイレージプラス(ユナイテッド航空) | |
マイル→楽天スーパーポイントへの交換 | 10,000マイル→10,000ポイント | 10,000マイル→4,000ポイント |
10,000マイル獲得に必要なSPGポイント | 30,000ポイント | 27,272ポイント |
楽天スーパーポイント10,000ポイント獲得に必要なマリオット・ヴォンボイポイント | 30,000ポイント | 68,180ポイント |
上記の表のように、SPGアメックスのマイル還元率だけで見れば最も良いユナイテッド航空のマイレージプラスですが、マイルを使うという観点で数字に注目すると大きな差が生まれてしまいます。
ANAマイレージクラブ経由であれば、10,000ポイント分の楽天スーパーポイントを稼ぎ出すのにSPGアメックスのポイントが30,000ポイント分でよいのに対して、マイレージプラス経由だと68,180ポイントも必要になってしまいます。SPGアメックスのマイル還元率だけで見れば、ユナイテッド航空のマイレージプラスが優位ですが、その後の交換で不利になってしまいます。
SPGアメックスのような複数の航空会社のマイレージクラブに移行することができるポイントは、還元率と使うときの価値に注意しましょう。
SPGアメックスのマイル還元率を上げる
ポイント交換は60,000ポイント以上で
ここまでマイル還元率は基本1%になると紹介しましたが、そのまま交換が絶対にしてはいけません。なぜなら、SPGアメックスの最大の魅力を活用していないからです。
SPGアメックスの最大の魅力は、60,000ポイント以上を交換すれば、5,000マイルが追加で付与されるということです。
つまり、60,000ポイントをANAマイルに移行すると20,000マイルが交換され、さらに5,000マイルが付与されます。このボーナスマイルは、全ての航空会社のマイレージプログラムに適用されます。これが、SPGアメックスを保有する最大の魅力です。
ちなみに、このボーナスマイルを加えると60,000ポイントで25,000マイル貯めることができるようになるので、マイル還元率は1.25%となります。0.25%獲得できるマイルが増加するので、ポイントをマイルに交換するときには必ず60,000ポイント単位で行いましょう。
SPGアメックスでマイル還元率6%越え
SPGアメックスでマイル還元率を高めたいのであれば、ホテル宿泊が一番お得です。
なぜならその還元率が「6%」という破格の数字になるため。
まず、宿泊をするホテルは、SPGアメックスの発行元であるマリオット/リッツカールトン/SPG参加ホテルです。
これらのホテルで宿泊をするとマリオット・ボンヴォイの特典が付くので100円で6ポイント貯まります。
さらにSPGアメックスを保有しているとマリオット・ボンヴォイのゴールドエリートステータスが付与されます。このエリートステータスを持っていることで1US$あたり12.5ポイントが加算されます。1US$=100円と仮定すると100円で18.5ポイントが加算されることになります。
18.5ポイントはANAマイルやJALマイルに換算すると6マイル以上となり、これでマイル還元率6%越えとなります。
まとめ
- SPGアメックスを利用して貯めることができるマリオットボンヴォイ・ポイントは複数の航空会社のマイルに交換することができるので基本は1%の還元率だが、航空会社によって若干の変動が起きる。
- マリオットボンヴォイ・ポイントを移行するときには、60,000ポイント単位で行うと5,000マイルのボーナスが付き、マイル還元率も1.25%となるので必ず60,000ポイント単位で行う。
- マイル還元率がよいからといっても、使うときに多くのマイルが必要になるケースもあるので、マイル還元率と同時にマイル価値にも注意をする。
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